普通、当日に面接があるという場合には、大抵の人は緊張をしてしまうのが人間というものだ。

しかし、私は全くもって緊張はしていない、緊張するどころかAmazonプライムで映画を呑気に見て笑っている。

面接時間は11時からなので、もうそろそろ準備に取り掛かる必要があるのだが「ジーサンズ」という映画のラストまで見たい。

時刻は10時20分、いい加減、準備に取り掛からないと本気で遅刻する可能性がある。でもどうでもいい。

面接といえば「スーツ」を着用して面接を受けるという、謎の風習があるが、そんなもの着るわけがないだろう。

今回の検証では「不真面目」という役を演じるのであって、しょっぱなから本気を出して相手を期待させてどうするのだ。

早速、私服に着替えて、次なる実験の場所である職場へ向かう。

一通り、履歴書をもって車に乗り込み、私が敬愛するXJAPANの「art of life」を聞きながら思いにふける。

今回の職場は「有人のガソリンスタンド」である。求人票には整備士資格は優遇すると書いてあるためなんとなく決めたのが本音だ。

そんなことを考えていると、今回の実験の舞台となるガソリンスタンドが見えてきた。

ガソリンスタンドの駐車場なんてどこにあるのか分からないため、ひとまず給油をすることにした。

早速、スタンドに入ると威勢の良い声で

いらっしゃいませ!現金ですか?カードですか?

カードでハイオク満タンで、それとここ、どこに駐車場あります?

当社の駐車場でしたら、裏手に回って頂くとございます。

ありがとうございます。

ここで私は、重大なミスに気が付いた。面接時刻の11時まであと2分なのだ!呑気に給油している場合ではなかった。

まぁどうでもいいか。

後の先輩となるであろう人から、駐車場の場所は特定できたので、駐車させてもらう。

もう現時点で5分程度の遅刻だが、まぁ貴社のガソリン入れたんだから仕方がないだろう。

車をおりて窓口までゆっくり歩きながら、店内に入るとパートさんらしきおじいさんが椅子に座っている。

こんにちはいらっしゃいませ!

言葉を遮るようにして私も挨拶をした。人生の先輩である挨拶を無視する訳にはいかないだろう。

はいおつかれさんです。

しばらくすると、社長と思われる人物苦虫を嚙み潰したような顔をしながらこちらに向かってきた。

それも当然だろう。正社員の面接で5分も遅刻しているのだから仕方がない

君がやゆゆ君?…まぁとにかく面接を始めよう

社長の後ろをついていくと、事務室と思しき場所へ連れていかれた。

社長のテンションが異常に低い、それもそのはずであり、5分も遅刻する正社員志望の求職者がどこにいるのだ?

やゆゆ君、正社員面接なのに5分遅刻は駄目だよ!何か理由があったの?

理由も何も、ここで給油をしていたら5分オーバーになっただけの話である。

聞かれるのは当然、予測できていたのでなんの問題もない。

御社のガソリンを入れていたのだから、なんの問題もないだろう。

丁度、ガソリンが無かったので、ここでハイオク満タンにしていたら時間が過ぎてしまいました。

一瞬、社長の顔が「何を言っているんだ?こやつは?」という表情になり、半笑いで小汚い事務室の一角に座った

普通ここでは椅子には座らないのが礼儀というものだろう。そして椅子に座る際には失礼しますの一言も必要だ。

だがしかし、俺はそんなものは一切関係がない。社長が座ったので私も役員のように座ることにした。

お言葉に甘えて片手で履歴書を渡して、椅子に「よいしょ」という言葉を添えて。

【大爆笑】君みたいな志望者は初めて見たよwwwアルバイトの子でもそんな奴見たことないよwww
まぁとにかくなんでうちを志願したの?

ここで真面目な人は「車やバイクが好きで毎日様々な車と触れ合えるスタンドを志願しました」とか言うのだろう。

だが、私は違う、社会実験の一環として真面目と不真面目では人生はどちらが楽しいか?について調査しに来ているのだ。内容なんてどうでもいい

セルフスタンドでの給油って楽しいですよね!ノズル突っ込んでガグンッという振動やガソリン匂いなど、はい以上です。

これは流石に一発目から飛ばし過ぎたか?と疑心暗鬼になったが、社長の言葉は意外なものだった。

わかったよwww今ね人手不足だから8月から来てねwww

という訳であっけなく採用されることになった訳だ。

実験結果

面接というと、採用、不採用を判断されるという側面があり、採用されると自分を肯定してくれているように感じて嬉しくなる傾向にある。

しかし不採用だった場合は、家族や友人の期待に応えられなかったし、尚且つ、自分を否定された気分になり自己効力感を下げてしまう。

面接というのは、その人の経歴などは重視していない、面接で重要になるのは人間性を見ているのである。

例え、有名大学を卒業していても、面接時にボソボソと何を喋っているか分からない人物と一緒に仕事をしていても楽しいわけがない。

今回はフランクに面接を受けるという趣旨で実験を行ったが、成功に終わった。

もし、これからバイトの面接や就職活動の面接をしなければならないという人は、緊張をせず、楽な気持ちで面接を受けて欲しい。