車のエンジンオイルってバイクに使っても良いの??

いきなり、何でそんな質問をするんだい?

車のエンジンオイル交換した時に16リットルも余ってしまって…。

まさか君がペール缶で20リットルも買うとは思わなかったよ…。

車のエンジンオイルはバイクに使っても大丈夫なの?

ホームセンターなどで手に入るオイルは4リットル缶が主流なので、軽自動車のオイル交換をした際には1リットル程度余ってしまいますよね。

そこで車のエンジンオイルを自分で交換している人は、余ったオイルをバイクに使えないか?と疑問に思ったことはないでしょうか。

結論から言うと、車のエンジンオイルをバイクに使用するというのはNGです。

この記事では、整備士が車のエンジンオイルをバイクに使用してはいけない理由について解説していきます。

車のエンジンオイルとバイクのエンジンオイルの違い

まず、車のエンジンオイルをバイクに使用してはいけない理由として、車のエンジンとバイクのエンジンは「駆動系」の仕組みが違うためです。

駆動系とはエンジン・トランスミッション・デフなどを表しています。

実は、車に使われているオイルというのはエンジンオイルだけではなく、ATFオイル・CVTオイル・ミッションオイル・デフオイルなど様々なオイルが駆動系別に使い分けられています。

簡単に車に使われているオイルをまとめると下記の通りです。

車のオイル関係

エンジンオイル
ATFオイル
CVTオイル
ミッションオイル
デフオイル

その中で、エンジンオイルはパワーを生み出すエンジン専用に作られたオイルで、他の駆動系には使えないオイルということです。例えば、エンジンオイルはデフオイルの代用にならないなど。

一方で、バイクの駆動系はどのようなオイルが各駆動系を担当しているのでしょうか。

実は、バイクは小型軽量化で高回転を生み出さなければならないために、エンジンオイルが全ての駆動系を担当しているのです。

そうなると、エンジンオイルに求められる性能も変わってきます。

特にバイクのエンジンはレッドゾーンまで回すこともあり、水冷エンジンであっても油温が高く、エンジンオイルで複数の駆動系を担当という点があるために、オイルに求められる性能は高くなるという訳ですね!

車のエンジンオイルとバイクのエンジンオイルは何が違うの?

とは言ったものの、車のエンジンオイルとバイクのエンジンオイルはどちらも鉱物油のはずで、使えても問題はなさそうです。

ですが、これを大きく分けるのが、エンジンオイルに含まれる添加剤となります。

まずは、車のエンジンオイルに含まれている添加剤から見ていきましょう。

添加物はたらき
酸化防止剤熱によるオイルの酸化を防止
金属系洗浄剤酸を中和してオイルの腐食を防止
無灰分散剤ススなどを固着させずにオイルの中に循環
粘度指数向上剤温度変化による粘度の変化を抑える
摩擦調整剤エンジン内部の摩擦を低減させる
摩耗防止剤金属面に保護膜をつくる
流動点降下剤極低温によるオイルの固形化を防ぐ
防錆剤金属面に付着して保護膜をつくる
消泡剤オイルの泡立ちを減少させる

上記のように、車のエンジンオイルには様々な添加剤が配合されて一つのオイルとして使われているというわけですね!

車専用に作られたオイルですので、この添加剤の中にはバイクの駆動系にとって良くない添加剤も当然含まれています。

その添加剤を下記でばっちり囲って書いておきますので、よく覚えておいてくださいね!その名も…。

バイクのエンジンに良くない添加剤「摩擦調整剤

この摩擦調整剤は、エンジン内部の可動部品の摩擦を低減させて燃費効率を向上させる目的で添加されているのですが、バイクにとってこの摩擦調整剤は厄介なのです。

先ほど、バイクの駆動系は全てエンジンオイルが担当していると説明しましたが、その中にはクラッチも潤滑しており、摩擦調整剤が入っているとクラッチが滑りやすくなるというデメリットが生まれるのです。

まとめ

車のエンジンオイルをバイクに入れると、添加されている摩擦調整剤がクラッチを循環してしまい、クラッチ滑りの原因となる。そして、車用のオイルはエンジン領域だけを担当するオイルで、高回転まで普通は回さないために、調合される添加剤もバイク向けではない。

これらの理由があって、車のエンジンオイルはバイクには使用してはいけないと言われている意味が理解できたでしょうか?

では、バイク用のエンジンオイルはどのような添加剤が調合されているのか気になってきませんか?次の章からはバイクのエンジンオイルについて知識を習得していきましょう!

バイク用オイルに求められる性能

バイクも車のオイルと同様に、添加剤が配合されていますが、車のオイルと大きく異なる点がバイクの特性に応じた配合がされているということです。

特にバイクは高回転で、高温に耐えて、各駆動系の潤滑をしなければいけませんから、車用のオイルと配合が異なるのは当然ですよね!

バイクオイルの特性

せん断安定性
油膜保持性
安定性
摩擦低減剤の配合

バイクのエンジンオイルに求められるのは上記の4つの要素となっており、どれも大事な役目がある添加剤ですので、一つ一つ解説していきましょう!

せん断安定性

ミッションやクラッチの潤滑というのは、高回転で回されているためにギア同士の油膜が切れてしまう「せん断」が起こることがあります。

もし、ギア同士の油膜が回転の圧によって切れてしまうと、各パーツが損傷してしまいますので、せん断が起きない安定した油膜を保持することが重要となります。

油膜保持性

バイクは車とは異なり、エンジン回転数をレッドゾーンまで回す機会も多く、回転が上がれば各パーツの油膜が落ちてしまいます。

油膜が無くなってしまうと、エンジンが焼き付いてしまう原因となるために、バイクのオイルは高い油膜保持性が必要になるのです。

オイルの安定性が一定

オイルというのは熱が加わると、どんなに高いオイルであっても酸化、劣化の発生は抑えられませんし、オイルの状態が走行の度に変化してはエンジンにダメージを与えてしまいます。

特にバイクは小排気量で高回転域までエンジンを酷使するので、時に油温が160度に達することもあり、高い安定性能が求められるのです。

摩擦低減剤の配合

車に配合されているのは摩擦調整剤ですが、バイクの場合には摩擦を低減させる摩擦低減剤というものが配合されています。

これは、クラッチなどを循環させる時に摩擦低減を減少させることによって、クラッチの滑り等のトラブルを防いでいる訳ですね!

バイク用のオイルは車に使用できるの?

ここまで、車のオイルはバイクに使用できるか?ということについて解説していきましたが、これとは逆にバイク用のオイルは車に使用できるのでしょうか?

もうお分かりかもしれませんが、バイク用のオイルも車のエンジンオイルに使用することはできません。

それは、車のエンジンオイル必要な摩擦調整剤の代わりに摩擦低減剤が調合されているという理由や、車とバイクのオイルは役目が根本的に違うという理由が挙げられます。

そのために、緊急時以外は車用のオイルをバイクに使ったり、逆にバイク用のオイルを車に使うということは避けた方が良いという訳です。

まとめ

以上、車のエンジンオイルがバイクには使用できない理由について説明してきましたが、理解できたでしょうか? 最後のおさらいにポイントをまとめますので、しっかりと覚えてくださいね!

総まとめ

車のエンジンオイルはバイクには使用できない
理由として、オイルが担っている役目が根本的に異なる
緊急時以外は車用のオイルをバイクに使用しない

以上が、車のエンジンオイルをバイクに使用してはいけない理由でした!この記事がみなさんのバイクライフの参考となれば幸いです。それでは他の記事でまた会いましょう!