メンテナンス

車のエンジンルーム内の水洗いが絶対NGな理由を整備士が解説

この前、コイン洗車場で車をピカピカに洗っていたら、隣で高圧洗浄機を使ってエンジンルーム内を洗っている人がいたんだけれど、これは大丈夫なの?

確かに自分の車をピカピカにするというのは良いことだけど、エンジンルーム内を水で洗うということはオススメしないよ!

自分の車をピカピカに洗車をするというのは、気分が良いものです。しかし、車には水で洗って良い箇所と、駄目な箇所があるということはご存知でしょうか?

室内を水で洗うという人はいないと思いますが、ボディーであれば雨水に当たるということを前提として作られているために、車の外装を容赦なく洗う人もたまに見受けられます。

その中でも、コイン洗車場などに出向くと「エンジンルーム内を高圧洗浄機で洗浄している人を見かけた」という方もいるかもしれませんが、エンジンルームを水で洗うと様々なトラブルの元となります。

エンジンルーム内の水洗いをしてはいけない理由

平成10年以前の車は、キャブレターという機械式で燃料を噴射する車種が多く、これは多少の水が付着しても大きなエンジントラブルとなることは少なかったために、水洗いをする人が多かったのです。

しかし、現代の車のエンジンルーム内は、様々な部品がコンピューター制御で動いています。例えば燃料の噴射やプラグの点火時期や空燃比などの計算もECUと呼ばれるコンピューターが担っています。

ECUの役割

  1. エアフローセンサー
  2. クランクポジションセンサー
  3. 吸気温センサー
  4. カムポジションセンサー
  5. スロットルポジションセンサー
  6. 排気温センサー
  7. アクセルポジションセンサー
  8. A/Fセンサー
  9. ノックセンサー
  10. O2センサー
  11. 水温センサー

このような複雑な制御を各部品に伝達、命令をするためには、電子部品が多く使用されることになりますので、エンジンルーム内が一つのコンピューターのように精密に指示に従って動いているという訳です。

各部品の役目については、今回は割愛しますが、これらのセンサーにECUから命令が届かなくなるとエンジン不調の原因となってしまいます。

車に使われる電子部品は防水処理を行っていますが、水に弱い性質ということには変わりありませんので、高圧洗浄機などで洗ってしまうとショートのリスクが高まってトラブルの原因となるのです。

ECU

そして、上記の画像のように車のECUと呼ばれるコンピューターはエンジンルーム内に置かれていることが多いために、高圧洗浄機で水洗いをするということはパソコンを水洗いするのと同じことと言えます。

ECUが水没すると…。

  1. エンジン始動不可
  2. アイドリング不調
  3. 電装品の誤動作(ウインカーなど)

上記は一例ですが、エンジンルーム内を水で洗うことによって、これらのリスクが生じる可能性がありますので、水で洗うということは絶対に控えるべきなのです。

エンジンルーム内の水分付着によってリコールの例もある

エンジンルーム内の水分の付着によって生じたリコール例

2019年の前半にダイハツの一部車種に、止水シールの不具合によって雨水が倍力装置に付着して、錆が生じる可能性があるとして、リコールが発表されたという事例があります。

このリコールは止水モールの交換と、倍力装置にノックスドールという防錆剤を塗布。又は倍力装置に錆が発生している場合はアッセンブリ交換というリコール内容でした。

カウルルーバーとダッシュパネルの合わせ部の止水処理が不適切なため、雨水等がブレーキブースターに滴下するものがある。そのため、ブレーキブースターに錆が発生し、そのままの状態で使用を続けると、錆が早期に進行して、最悪の場合、ブレーキブースターに穴があき、ブレーキペダルの操作力が増大し、制動距離が長くなるおそれがある。

出典:ダイハツ工業

これらのリコールが出されるということは、メーカー側としても極力はエンジンルームに水が浸入しないように対策をしている訳ですから、エンジンルームを水で洗うということは非推奨とも捉えられます。

実際に起きたトラブル例

ECU水没が多かった軽トラの理由とは?

ダイハツのS210P系統の軽トラックのECUというのは運転席と助手席の足元付近にあるために、実際にECUが水没してしまうというケースが非常に多かった車種です。

「なぜ水没してしまうのか?」と疑問に感じるかもしれませんね。それは軽トラックというのは農業で酷使するために車の床が泥などで汚れた際に、水洗いをするというユーザーが多かったためです。

そうなると、ECUに水が付着してしまいますので、アイドリング不調で信号待ちの際にエンストや、晴天の日でワイパーをオンにしていないのに、超高速でワイパーが動いたりと散々なトラブルがありました。

このようなトラブルを避けるためにも、エンジンルーム内には直接水をかけずに、タオルで拭き上げるということが一番良い方法ですし、最近ではエンジンルーム専用のウエットティッシュも販売されています。

POINT

エンジンルーム内を掃除する場合には、水を使わずに柔らかいタオルを使って拭くということがポイントです!

まとめ

エンジンルームの水洗いが引き起こすトラブルについて、これまで解説してきましたが、水に弱いのはECUだけではありません。

端子同士を接続するカプラーも、水が混入すると青錆が発生して接触不良の原因になりますし、水の浸水によって倍力装置に錆が発生したりなど、エンジンルームにとって水は好ましくありません。

もし、エンジンルームを綺麗にしたいのなら、上記でも解説しましたが、柔らかいタオルで拭き上げるということをオススメします!

エンジンルーム内を綺麗にすることは良いことですが、オイル量の確認や冷却水の量の確認などのメンテナンスも一緒に行うことも大事ですよ!

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