車を初めとしたエンジンを原動力とする乗り物には、様々なオイルが使われています。その代表的なオイルを一つ上げると定期的な交換が必要になるエンジンオイルではないでしょうか。

エンジンオイルが良く例えられる例として、人間の血液とも呼ばている程、重要なオイルであり、オイルが劣化したまま車を乗り続けると著しく寿命を短くしてしまうか、エンジンが故障してしまうこともあります。

これは極論ですが、エンジンオイルが空の状態でエンジンを始動させると、エンジンからガラガラと異音が発生し、そのまま動かしていると数分でエンジンから煙が発生して止まってしまいます。

では、このようなエンジンにとって重要な役割を担っているオイルについて、どれ程の理解があるでしょうか?この記事ではエンジンオイルが担う重要な役割を一緒に理解していきましょう!

エンジンオイルの主な役割とは?

少し専門的な話になりますが、エンジンオイルはエンジン内部で発生する摩擦のエネルギー損失や燃焼による発熱、シリンダーとピストン等などの接地面の摩耗からエンジン内部を守る役目があります。

なんとなく、「エンジンオイルの交換は大切だとは知っている…」という方に向けて、もっと言葉をかみ砕いて説明していきますね。この記事を読み終わった頃にはきっとエンジンオイルの交換をしたくなるはずです。

エンジン内部の潤滑

エンジンというのは金属の塊が精密に組み立てられて出来ているということはご存知だと思います。要するに金属と金属(正確には金属ではありません)が擦れあう部品で構成されているということですね。

金属同士が高速で擦れあうということは、摩擦熱が大量に発生するということであり、擦れあう物同士に抵抗が無いと熱によって金属同士が固着してしまいます。これが良く耳にするエンジンの焼き付きですね。

エンジンオイルはこのような摩擦部分に油膜を構成して、金属同士の摩擦を減少させることでシリンダーやピストン等の摩耗を防ぐという役目があります。

エンジン内部の熱をオイルで吸収・冷却をする

通常、水冷エンジンには冷却水の通り道であるウォータージャケットと呼ばれる冷却装置があるのですが、これはエンジンの外側に通っており、エンジンの内部までは冷却水で冷やすことはできません。

当然、エンジンは外側より内部の方が高温になる訳ですから、エンジンの外側を冷やしても下がる温度には限界があります。暑い夏場の室内に家の外から水を掛けても温度が下がらないのと理屈は一緒です。

エンジンオイルはそのような内部機関へ直接触れさせることにより、燃焼熱や摩擦熱で高温になったエンジン部品の熱を吸収して、最終的にオイルパンに戻って走行風で冷やされることにより、熱を外部へ放出します。

金属同士の密封を強化する

エンジンのシリンダーと呼ばれる燃焼室と、爆発を回転運動に変えるピストンは現在の技術では精工に作られていますが、金属同士のクリアランスをゼロにするということは、ほぼ不可能に近いのです。

なぜシリンダーとピストンのクリアランスが重要かということについて説明すると、ピストンとシリンダーの間に隙間が生まれるとパワーが低下し、エンジン本来の力を生み出すことが難しくなるためです。

そのために、オイルでシリンダーとピストンの間に油膜を作ることによって、圧縮ガスや燃焼ガスを燃焼室に密封して圧縮漏れを抑えるという役目があるのです。

オイルの油膜でエンジンの防錆防食を防ぐ

エンジンは金属の塊(正確にはアルミニウム合金を多用しています)ですから空気が直接触れる環境下では、時間の経過と共に、温度差による水分の発生から始まり錆の浸食が起こります。

当然、精密に作られているエンジン内部に錆が発生するということはピストンリング等の重要な部品を破損させる原因になり、結果としてパワーロスの要因となってしまうのですね。

そこでエンジンオイルが金属に付着していれば、オイルによって膜を張るということになりますので、酸や水分から錆や腐食の発生を防止して、エンジン部品の摩耗を防ぐ効果があるのです。

エンジン内部で発生した汚れを分散させる

エンジンはガソリンと空気を燃焼させて動力を生み出す訳ですが、燃焼させる際にカーボンやスラッジと呼ばれる汚れが同時に発生してしまいます。この汚れが内部に溜まっていくと様々な悪さをする訳です。

例えば、カーボンやスラッジが蓄積することによってピストンリングの損傷を招きますし、これらには粘着性がありますので、バルブ周辺に固着してしまえば作動不良でエンジンにとって致命傷ともなります。

エンジンオイルはこれらの物質をオイル中に分散させて、内部に溜まった汚れをオイル交換と共に排出するという重要な役目があるのです。そこでオイルの交換をしなければ…わかりますよね。

エンジンオイル交換の重要性と理想の交換頻度とは?

上記の通り、エンジンオイルには様々なコンディションを保つ働きがあると同時に、エンジンオイルの損傷を防ぐ大きな役割を果たしているのです。

オイルというのはご存知の通り、定期的な交換が必要である訳なのですが、エンジンにとってベストなコンディションを発揮してくれる理想的な交換時期というのは一体どれくらいなのでしょうか。

実は、適切なオイル交換時期というのは各自動車メーカーが目安を出しています。今回はトヨタ自動車を例にして見ていきましょう。尚、下記の表に書かれている数値は目安であり、車種によって異なります。

車種標準オイル交換時期オイルエレメント交換時期
ガソリン車15.000㎞ or 12か月ごと 15.000㎞
ターボ車5.000㎞ or 6か月ごと 10.000㎞
ディーゼル車 5.000㎞ or 6か月ごと 10.000㎞

トヨタ自動車が目安としている数値はガソリンエンジンで15.000㎞及び12か月の頻度となっています。しかし私個人の意見としてはこの頻度は長すぎだと感じています。

各工場で基準は異なるのかもしれませんが最低でも、5.000㎞及び6カ月に一回はオイル交換をしないと、オイルが墨汁のように真っ黒になり、明らかにエンジンに負担を掛けている雰囲気を醸し出してきます。

そして、15.000㎞という走行距離での交換頻度となると、年式の古い車では燃焼室内にオイルが入り込む(オイル下がりやオイル上がり等)の症状が発生している場合には、気が付いた時にはオイルが空に近い状態になってしまっているということもあります。

このようなリスクを避けるという意味でも、オイル交換はメーカーが設定している走行距離や期間よりも早めに交換をするということが、エンジンにとって一番良いコンディションを保つという意味でもお勧めです。